我が子は、2人とも帝王切開にて誕生しました。
当たり前ですが、誕生してから今現在までずーっと可愛いです！
日々そんな幸せを噛みしめているのですが、子どもを産んでから家内はずっと、
と悩んでいたようです。
ネットの情報からなのか、出産体験を見聞きしてなのか、ママ友からなのかはわかりません。
絶対に母性がないなんてことはあり得ないし、そんなことを言うやつがいたら叩きのめしてやります。
そもそも帝王切開とは危険なもの
ここまで帝王切開、帝王切開言ってきていますが、
帝王切開とは何なのか
まずはそこを確認しておくことで、私の思いを伝えるのに役立てます。
帝王切開の始まりは紀元前
帝王切開という名前は別にして、その手術自体は紀元前から行われていたそうです。
王政ローマ(古代ローマの最初期)に定められた、
遺児法
にてその行いが定められていました。
母親が妊娠中に死亡した場合に、お腹に残された子を救うために行われていたのが、帝王切開の始まりです。
その後、時代を経て、1500年頃に帝王切開による出産が行われたという記録が残っています。
しかし、その頃行われた帝王切開では、母親はまず亡くなっています。
19世紀の前半であっても、帝王切開での母親の死亡率は75％(※)
※『医学用語の起り』より
現代であっても帝王切開は危険なことに変わりはない
そんな今であっても、帝王切開にはどうしてもリスクが伴います。
もちろん帝王切開に限らず、経膣分娩(普通分娩)にも危険はあります。
それでも、
帝王切開そのものでの母体死亡率は4～10倍とされており、それ以外にも
「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」のリスクは5～10倍とされています。
そして、家内もお医者さんから説明されましたが、
1度帝王切開にて出産すると、次回以降もほぼ帝王切開になります。
帝王切開→普通分娩 とすることも可能らしいですが、
子宮破裂のリスクが上がります。
帝王切開(1回)→普通分娩
約0.6～0.8％
帝王切開(2回以上)→普通分娩
約1.5～3.7％
参考論文
最近の帝王切開後経腟分娩（VBAC）の動向と当科における現状
ただでさえ肺血栓塞栓症などのリスクが増え、2児以降も帝王切開となるのに、帝王切開を何度も行うと、
- 胎盤癒着
- 膀胱損傷
- 子宮摘出
まさに、子どもを産むのに命がけになってきます。
帝王切開で子どもを産む選択をした時点で、母性の塊だと思う
ですが上に書いた内容は、おそらく産婦人科医から説明されていると思います。
ここからは、
帝王切開を選ぶことが、すでに母性
子どものために「腹を切る」という、絶対的な恐怖に勝つ母親
帝王切開での出産になる
そう聞いたとき、あなたはどんな気持ちでしたか？
言われたタイミングも状況も、人によって違うので考えも感情もそれぞれだと思います。
我が家の場合、出産予定日間近の診察で、
と言われたのが始まりでした。
もう1度検査をしてみると、特に異常はない。
ですがそこで、医師から提案されます。
もちろん、感染症があったわけではない。
しかし、私たち夫婦の頭には、つい先ほどの心拍の異常が強く残っています。
私の家内は、その場ですぐに帝王切開での出産を決意しました。
私自身、ひどい骨折で手の指は手術をしたことがあります。
粉砕骨折で指を手術。治療、治るまでに経験した痛み。診断は疑え！
それだけでもものすごく怖いのに、ずっと守ってきた我が子を無事に産めるのかという恐怖まで。
出産の痛みに男は耐えられない
良く聞く話ですが、その前段階で男には精神的に耐えられないのではないでしょうか。
そんな、本当にすごい決断をあなたはされたのです。
たとえ、必要に迫られてだったとしても、あなたはそう決断されたのです。
愛する我が子のために恐ろしいことに挑める。
一生残る子どもとの絆の証の傷
帝王切開で切った時の傷。
まず間違いなく、一生残りますよね。
子どものために負った傷。
子どもだって、大好きなお母さんが自分のために傷を負ったなんて嫌でしょうから。
だから私は、密かに
子どもとの絆の証
と思っています。
- 自分のお腹を開いてまで、子どもを産もうと思った母親
- そんな愛情を受けて生まれてきた子ども
それが、一生「形」として残ると考えたら素敵かなと思っています。
自分でもクサいことを言っているなという自覚はありますが、そう思った理由のひとつに出産の立ち会いでの出来事があります。
その中でも、1人目の子をお腹から取り上げる際に、子どもが家内のお腹の切れ目に引っかかりました。
子どもがひっかかった時、医師は迷いなく切れ目を「ガッ」と切り広げました。
今思い出しても、血の気が引く光景。
母子ともに命がかかっている、そんな現場での出来事ですから、文句を言うつもりなどサラサラありません。
そんな光景を思い出すたびに、
どれほどの愛情があれば自分はあれに耐えられるか
そう思うたびに、お腹の傷は子どもへの愛情が表れたものだと実感しています。
そう思われるかもしれませんが、あなたのやったことは本当にすごいことです。
「帝王切開で子どもを産んだら母性がわかない」なんて絶対に言わせない！
別に私は、帝王切開信奉者でもなければ、アンチ普通分娩でもありません。
しかし、家内が
帝王切開を選んだことで母性に悩む
何度だって言います。
帝王切開を選んだ時点で、あなたは母性の塊です。
誰が何と言おうと。
もしも、悩んで、どうしようもなかったら教えてください。
あなたと、あなたの家族の幸せがずっと続くことを祈っています。
